• 骨が少ない場合のインプラント

    歯周病は歯茎の炎症から始まり、のちに進行すると骨を溶かしていきます。
    歯茎の炎症だけの段階であれば十分に治る可能性がありますが、ひとたび骨が溶けだしてしまうと、溶けた骨は戻ってくることはなく、元通りに治ることはないといわれていました。

    再生療法とは、失われた歯周組織(歯肉、骨など)をよみがえらせる再生医療です。
    歯周病で失った歯周組織の再生や、インプラント治療がいままで出来なかった部分の骨を再生することも条件次第では可能になります。

  • 顎関節症

    あくびや口を大きく開くと口の中で「カクン」といった音がしたり、ものをかむと耳の付け根やこめかみが痛くなる。こんな症状が現れたら顎関節症を疑いましょう。
    近年、顎関節症の患者は急増しているといわれ、とくに20~30代の若い女性に多く見られます。軽症なら自然に治ることもありますが、放置しておくと重症化して、めまいや耳鳴り、肩こり、歯や舌の痛みが続いたり、口が開けられずに食事が摂れなくなったりすることもあります。
    顎関節症の治療は、不快な症状を取り除いたり、顎関節症の原因を解決したりする温存的な治療が行われます。
    顎関節症は生活習慣が関係することが多いため、患者自身のセルフケアが中心となります。
    頬杖をついたり、歯を食いしばるようなクセを直すことが、顎関節症の治療と予防に繋がります。

  • 歯と認知症予防

    歯を治療する事で記憶力が回復する例もある
    奥歯を削り噛みにくくした状態のマウスを、セメントなどで修復すると、正常なマウスと同じ程度にまで記憶力が回復したという研究報告があります。
    噛み合わせが悪いまま放っておくのではなく、噛む事が出来るように治療することで記憶力の回復の可能性が高まります。入れ歯やインプラントでも脳は刺激出来る
    アルツハイマー型認知症の方の口の中を調べると、歯が無くなり、長い間良く噛んで食べる事が出来ていなかったと思われる人が多く見られます。
    歯が無いと歯根膜が無くなるため、刺激が脳には伝わりません。しかし、歯に代わる入れ歯や、インプラントなどの治療を行えば歯と同様の働きをすることが出来るのです。トレーニングガムを利用する
    歯があっても良く噛まなければ脳に刺激を与えられません。
    食事の時に良く噛む事も必要ですが、ガムを噛むことも有効です。
    ガムを噛む事でリラックス効果ももたらされ、集中力も回復するのです。
    トレーニングガムとして歯科でのみ販売されているものもあるようですが、市販のガムでも効果はありますので、認知症予防のために利用してみてはいかがでしょうか。

  • 噛む事の必要性

    噛む事を意識して食べると脳は活性化しやすい
    歯があれば普通に噛めますが、歯が抜けると噛めないだけでなく歯根膜もなくなり、脳へ刺激は伝わらなくなってしまいます。
    また、歯があってもあまり咀嚼を意識しないで食べていると、脳への刺激が少なくなります。
    このことから、脳を活性化するには意識して噛む事が重要だと言えます。噛まないとアミロイドβ蛋白は沈着しやすく、海馬の細胞が減ります
    アミロイドβ蛋白とはアルツハイマー型認知症の原因と考えられている物質です。
    広島大学で、よく物を噛む事が出来る正常なマウスと、歯がなく柔らかい物しか食べられないマウスを比較した研究を行いました。
    その結果、歯のないマウスの方には、大脳皮質にアミロイドβ蛋白が沈着し、老人斑が多数発生し、さらに、記憶や学習能力に関わる海馬の細胞数が少なくなっている事が判明したのです。
    つまり物をよく噛んで食べる事ができなければ、咀嚼によって中枢神経が刺激される事も少なくなり、アルツハイマー型認知症を引き起こしてしまう確率がぐっと高くなるのです。

  • 講演報告

    公益社団法人 日本口腔インプラント学会 第38回関東・甲信越支部学術大会にて発表をさせていただきました。
    私の発表内容は、
    「狭小化した顎堤に細いワンピースインプラントを用いる優位性とテーパーロック連結した上部構造とその解除機構の提案」です。
    インプラントは保険診療と違い、自費診療となるため高額な治療費となりやすくなります。
    せっかくインプラント治療をするのであれば、長く使えて、骨造成を回避できるインプラント治療ができれば経済的負担も減りますし、骨造成をしなくて済めば長期安定性も増し、なにより患者さん自身の骨だけで治療が可能です。
    今後とも研鑽を積んでまいりたいと思います。