インプラント自体は丈夫でも、さまざまなインプラントの寿命を左右する要因があると寿命を縮めてしまうこともあります。
その主な理由を5つご紹介します。
●インプラント周囲炎
インプラントは人工物ですが、メンテナンスを怠れば、天然歯と同じように歯周病の症状を起こすことがあります。歯みがきを怠り、人工歯と歯茎の境目の歯茎が炎症を起こすと、インプラント体周辺の結合していた組織が破壊され、骨が溶けてインプラント自体に問題が無くても支えきれなくなり脱落したり、修復不可能で撤去せざるを得ない事態になることもあります。
●喫煙習慣がある
インプラント患者に喫煙習慣がある場合、インプラント周囲炎を発症する割合が数倍になるといわれています。インプラントが顎の骨や周辺組織と結合する障害となったり、免疫力低下により口腔の細菌感染リスクも高くなってしまうためです。
●歯ぎしり・食いしばりなどの悪習癖
「歯ぎしり」「食いしばり」などの悪習癖は、歯にとても大きな負担をかけてしまいます。無意識におこなっていることが多く、時には100㎏以上の圧力がかかることも。
天然歯は顎の骨と歯を「歯根膜」という組織でつないでおり、この力を分散するクッションの役目を持っていますが、インプラントはダイレクトに圧力を受けるため、慢性的に大きな力を受けていれば、寿命の短縮につながってしまう可能性もあるのです。
●治療の「質」も寿命を左右します
インプラントは高度な技術を要する治療です。インプラント体が正しい位置に埋入されていない場合、治療後に不具合が生じ、インプラントを撤去しなければならないという事例もあります。
メジャーインプラントメーカーですと、様々な要因に対するパーツがそろっているため、問題が生じた時の対応力が違ってきます。安易に安いからと言ってインプラント治療を受けたとしても、数年後に違いが出てくる時があります。
また、インプラントの歯科医院の実績など、ご自身との相性もよく検討して治療を受けていただきたいと思います。
●一番のポイントは「メンテナンス」です
インプラントがいかに寿命を長く保つことができるかは、適切なメンテナンスを継続しておこなえるかが最重要です。インプラントは入れて終わりではなく、日々のセルフメンテナンスと、定期的に歯科医院でプロフェッショナルケアを受けることが大切。歯科医院では、自宅でできないバイオフィルムの除去や、噛み合わせの調整などを行うことができます。これらを適切に行っていればインプラントが細菌感染することや、不具合を未然に防いだり早期発見し修復したりと、寿命を長く保つことにつながるのです。