マウスにミネラルの補助食品とを与えた場合と運動を行った場合では、運動よりも栄養の方が、骨密度と強度が保たれたという、米国のミシガン大学の報告。
研究では、16週の雄マウスを、運動なし・ミネラル添加群、運動なし・ミネラル添加なし群、運動あり・ミネラル添加群、運動あり・ミネラル添加なし群に分け、8週間飼育した。その後、運動あり群は、運動を行わず8週間観察した。
研究の結果、長期に渡りミネラルサプリメント食を与えた群では、運動をやめた後でも、骨強度が維持されたという。
この結果がヒトにもあてはまるなら、高齢者では、運動よりも食事の方が手軽かもしれず、加齢が進めば運動ができなくなることも考えられるので有益であろうという。
2つ目の重要な知見は、運動を行わずとも、ミネラルのサプリメントだけで、骨の強度に有益であったことである。研究チームは、食事は補助的であると考えていたのでこの結果は驚きだったという。
「多くのほかの研究では、食事のカルシウム量を増やし、効果を観察する研究が多い。ミシガン大学でもカルシウムとリンの摂取を増やし、骨密度と骨強度が高まることを明らかにした。しかし、これらの結果は、カルシウムやリンのサプリメントの購入を勧めているわけではない。マウスの研究結果は人に直接あてはめられない。これらの研究は研究者に新たな概念を与える一歩を示したのである」とミシガン大学のコーン教授は述べている。
骨密度は、20代前半がピークとなり減少する。骨密度が減少するまでに、いかに良い状態を維持するか、若い時の骨密度をいかに高めるかが重要であると述べている。
出典:国立健康・栄養研究所「リンクDEダイエット」