レントゲン検査を受けたくないと言われることがあります。

放射線被曝に関する考え方にはALALAの法則というのがあって,その量は合理的に最低限に抑えることと決められています。

しかし、被ばくを恐れて正しい検査結果を知らずに、手術に臨んで偶発的なミスに直面したら対応が遅れるかもしれません。

この検査は放射線(X線)をからだに照射し、体内を通過した放射線をセンサーで感じ取って写真にしています。このとき、どれだけの放射線がからだを通過していったかで被ばく量は決まってきます。

からだのレントゲン検査、中でも胸部CT写真では胴体や腕を含む大きな範囲を放射線が通過していくことになりますが、歯科におけるCT検査は放射線を浴びる範囲が顔の下半面のみと根本的に被ばく量は少ないことになります。

さらに、検査の方式が胸部CT撮影と歯科用CT撮影では違うので、短時間に検査が終わります。

実際の数値の違いは下記の通りです。(単位はmSv=ミリシーベルトと読みます.)

200mSv以下においては異常な症状は確認されていません。

10mSv  ブラジル・ガラバリ市での自然放射線(1年間生活すると、自然に浴びる放射線の総量)
6.9mSv  胸部X線CT検査(一般的な検査機器、低被ばくの検査機器も開発されている)
2.4mSv  世界の平均的な自然放射線量
1.5mSv  日本の自然放射線量
0.6mSv  胃のX線精密検査
0.19mSv  東京〜ニューヨーク間を飛行機で往復した時の被ばく量
0.03mSv  アナログ式 歯科パノラマ撮影(口腔内全体を1枚の写真にする撮影方法)
0.026mSv 当院にある歯科用CT撮影(1回)
0.005mSv 当院にあるデジタル歯科パノラマ撮影

口腔内全体を一枚の写真に写し込むアナログ式歯科用パノラマ撮影と歯科用CTはだいたい同じ被ばく量なんですね。
それと、必要以上に被ばくしないために日本口腔放射線学会が推奨する撮影ガイドラインを参考にしています。
歯科におけるレントゲン検査の被ばく量は元々少ないのですが、知っておくと安心ですね。

余談ですが、日本人が一年間に摂取している食べ物から受ける被ばく量は0.3mSvと言われています。