前歯が抜けてしまった場合、人に見られると恥ずかしいので、すぐに歯医者に行き、治療を受けると思います。
それが奥歯だった場合、見た目ではわかりませんので、そのうちに治療しようと思って、ついついそのまま長期間放っておくケースが多いようです。
歯が抜けて間もないときは、口の中の違和感があるものの、痛みはなく、反対の歯で食事する事も可能ですし、あまり支障も感じることがないため、そのまま放置してしまう方がいらっしゃいます。
しかし、長期間放っておくと、様々な問題が起こってきます。

歯がないために、上顎の歯と下顎の歯がかみ合わず、噛む力が大きく損なわれ、そのままにしておくと、上または下の歯は、対抗する歯がないために、飛び出てきてしまいます。
そして、隣の歯は支える歯がないために、倒れてきます。そのため、かみ合わせが崩れて、歯並びがガタガタになってしまい、入れ歯を入れようとしても、うまく合わなくなってしまうことがあります。
奥歯で咬み難いために、前歯を使うと、顎の関節に負担がかかり、痛みが出たり、口が開き辛くなったりということが起こってきて、顎関節症を引き起こします。

また最近では、認知症になる原因のひとつとされています。
認知症の方の口の中を調べると、歯が無くなり、長い間良く噛んで食べる事が出来ていなかったと思われる方が多く見られます。歯が無いと歯根膜が無くなくなってしまうため、刺激が脳には伝わりません。しかし、歯に代わる入れ歯や、インプラントなどの治療を行えば歯と同様の働きをすることが出来るのです。

このように、様々な問題を引き起こしますので、歯が抜けた場合は、早めに治療を受けていただきたいと思います。